1月13日、金子総務大臣、中西副大臣が高知を訪れ、農業や医療のデジタル化に取組む企業などを視察しました。農業分野では、南国市に於いて四国電力などが設立したスマート農業に取組むIoPプロジェクト参画企業のAitosa株式会社を濵田知事や尾﨑衆議院議員らと視察しました。
まず、環境制御室において、高知県農業振興部の岡林IoP推進監から、IoPプロジェクトについての説明がありました。「栽培面積に対する農業産出額日本一の高知県も世界一のオランダには断然負けています。そこで、オランダの農業を徹底的に学び、温度や湿度、二酸化炭素や日射などトータルに管理するデータ駆動型農業を取り入れ、高知県の施設園芸に環境制御を本格的に導入しました。こうした農業の現場にある貴重なデータをインターネットを活用し、一元化してクラウドに集めてより最適な栽培管理を目指す次世代型農業がIoPプロジェクトです。データの見える化や共有により農業の継承にもつながり、高知県の農業が、益々改善されていきます。また、高知モデルとなって全国にも普及していけば日本の施設園芸ももっと変わっていくと思います」と紹介しました。
次に、四国電力株式会社の佐伯取締役会長から挨拶がありました。「四国においては、人口減少、高齢化が他の地域よりも速く進んでおり、地域活性化の必要があります。そのためには若い人が働ける産業を興すことが必要と感じ、観光振興や一次産業を進めてきました。そして昨年、高知県と南国市、JA高知県の力強い支援を受けてシシトウ栽培をスタートしました。これからもデータを利用して最先端の農業にチャレンジします」と語りました。
続いて、Aitosa株式会社の武田社長が、取組みを説明されました。
「四国電力は、2018年香川県にイチゴを栽培する「あぐりぽん」を設立。スマート農業に着目する中で、IoPクラウドを推奨している高知県の方に相談をし、2020年にAitosaを設立、シシトウの生産事業とスマート農業の研究開発を行っています。将来的にはスマート農業の知見を地域の農家さんに展開し、地域の農業を元気にしたいと思っています。現在、地元の生産部会に入会し、農家の課題解決を一緒にさせていただいており、シシトウを使った名産品の開発がスタート。スマート農業の研究開発では、AI、IoP、ロボット技術を活用した農作業の省力化についてすすめています」と紹介がありました。
こうした説明を聞いた後、金子総務大臣は、「ピンチをチャンスに変えていく。条件不利地域だからこそできる発想が出てきたのだと思います。本当に驚いたし、参考になりました」と話しました。その後、環境制御技術を活用した栽培を行っているシシトウのハウスへ移動し、研究をすすめている農薬を自動散布するロボットの実演や、Aitosaのスタッフが実際にシシトウを収穫している現場を見学されました。