活用事例

Vol.26

クラウドサービスが連携していく未来

株式会社誠和

江本祟司さん 加座健士郎さん

写真右から
江本祟司さん:経営企画部 部長 
ペンたん
加座健士郎さん:経営企画部 事業企画課 課長

企業

IoPプロジェクトに参加されたきっかけを教えてください

先進的に取り組まれている高知県と共に、次世代の農業を開拓していきたいと思いました

当社は全国に先駆けるような形で2012年に環境測定装置「プロファインダー」の開発を行い、これまで環境測定装置の普及に向けて努めてまいりました。2016年には、高知県内で施設園芸関連機器等の浸透を促進する取り組みもはじまり、当社も施設園芸関連機器のリーディングカンパニーとして、これに参画しております。
今回、プロジェクト参加させていただいたのは、高知県様と取り組みを進めていくなかで、IoPプロジェクトの構想を聞かせていただいたことがきっかけです。実は当時、当社でも環境測定装置の普及率向上に対して「圃場の環境データをクラウドにアップ」する機能やサービスの実現化に向けた開発が進んでいました。今後の進め方なども協議していたところでしたが、このお話を受け、施設園芸関連機器に対して全国トップクラスに理解のある高知県様や高知の農家様と、一緒に市場を作り上げていけることに大きな将来性を感じ、プロジェクトに参加させていただきました。


IoPプロジェクトで取り組まれていることについて教えてください

主に自社クラウドとSAWACHIを連携させる取り組みを進めています

高知県は全国的にも環境測定装置の導入が進んでいる地域ですが、同時に多くのメーカーの機器が導入されていることから、他メーカー間でのデータ共有が難しいという問題を抱えていました。当社でも2019年に「プロファインダークラウド」というクラウドサービスを立ち上げておりますが、やはり「○○さんの圃場の環境データがみたい」というユーザー声は少なくありませんでした。しかし、今回のIoPプロジェクトにてSAWACHIが登場したことで、自社クラウド「プロファインダークラウド」とIoPクラウド「SAWACHI」のデータ連携が可能になりました。今後はSAWACHIでプロファインダークラウドに収集されたデータを見ることができるようになりますので、これまでデータ共有ができなかった二つの立場のユーザーでもデータ共有することが可能です。


プラットフォームが増えることで、農家さんにどのような影響がありますか?

農家さんが自身の目的に合わせて、クラウドサービスを選択できるようになります

複数のクラウドがあったとして、そのデザインや規格は必ずしも同じではありません。環境データの表示デザインも異なりますし、それ以外の部分でもSAWACHIでは市況や出荷状況のデータを見ることができたり、プロファインダークラウドでは収量予測をするサービスや、BtoBのマッチングサービスなどを独自に展開していたりと、それぞれが違う分野に特化したサービスを展開しています。そのため、農家さんが栽培している品種や、定期的に取得したい情報などに合わせて、使いやすいクラウドサービスを選択することができます。今後SAWACHIとの連携が深まっていけば、例として「SAWACHIで管理し、プロファインダーで出荷する」といった利用なども可能になると思います。

※プロファインダークラウドのサービス例
・プロフィットナビ(トマトの収量予測をするサービス)
・農薬、病害虫の管理システム
・ブルーマーケット青果物流通サービス(BtoBマッチングサービス)
・試験農場のデータの公開


現在の取り組み状況や、今後の目標を教えてください

「官」と「民」のふたつの立場から、農業の課題を解決していきたいです

今回のIoPプロジェクトにおきましては、当社と高知県様で情報共有を行ってきたことで、お互いの目指すべきクラウドサービスの形がより明確なものになったと思います。また当社としましても、試験にご協力いただいている高知の農家様方のIoPへの理解が高く、多くの有益な情報をフィードバックさせていただいております。
今後の目標としましては、環境測定装置がますます普及していくこと、そしてより良いクラウドサービスを作り上げていくことはもちろんですが、それぞれの強みを活かしたサービスが連携し、日本全体の農業の質が向上していって欲しいと思っています。