活用事例

Vol.25

農家の長年のカンが視覚化されていく期待感

田野町 ナス農家

常石泰彦さん

農家

環境測定装置を導入したきっかけを教えてください

「見えないものが見える」というフレーズに惹かれました

はじめて環境測定装置を導入したのは平成26年です。それまで私はこういった装置に関心がなかったのですが、研究会に出席していくなかで、だんだんと環境測定装置についての知識が深まっていき、とくに「見えないものが見える」という部分に興味を抱きました。私は40年近く農業をしていますが、長く農業を続けている方は、自分の中に農業に対するカンを持っていると思います。しかし、これらのカンはあくまでも自分の経験則からくる根拠のない理屈です。ですが、環境測定装置を利用すれば、「見えなかったデータが数値として可視化され、さらに分析していくこともできる!」そう思ったことが導入の大きなきっかけですね。


実際に利用されてから、運用方法や考え方に変化はありましたか?

初期に比べ、データの運用ができるようになってきました

導入当初はデータをひとつ一つ確認していたのですが、慣れてくると外気温度とハウス温度の二つのデータから加温機が動いているかの確認や、データから炭酸ガスや加温機を調節して燃料を節約したりと、データから様々な運用ができるようなりました。また、毎年の作においては、その瞬間のデータや蓄積されたデータを見ることができるため、これまでカンでやっていたことの「答え合わせ」になることも多く、知り合いの農家さんとデータ比較なども頻繁に行っています。間違っていた場合などはそこから修正していくことができるので為になります。


SAWACHIの使用感について教えてください

農業のペースメーカー的存在だと感じています

SAWACHIの画面上ではすべてのデータが統合されて表示されているので、データの比較もしやすく使いやすさを感じています。定期的に配信されるニュースや市況などもよく見ていますね。また、私にとってSAWACHIは、そういったタイムリーな情報を受け取ることができることから、日々の農業のペースメーカー的な存在でもあります。限られた時間の中で、どのタイミングで育て、収穫すれば効率が良いか?そんな情報を間接的に知れるツールとして、今後も活用していきたいと思っています。


IoPプロジェクトにどんなことを期待していますか?

成功モデルをどんどん発信して欲しいです!

環境測定装置を上手に活用されている、ベテラン農家さんや新規就農者さんの成功例を発信していって欲しいと思っています。現在、安価な製品や費用対効果の高い製品も増え、導入もしやすくなってきていますが、やはり専業農家にとっては大きな決断であり、少なからず失敗に対する不安もあると思います。ですので、今後もっと多くの農家さんにデジタル農業へのプラスの感覚が広がっていって欲しいと思います。新規就農者の方はもちろん、導入を悩んでいる40代以降の世代も参入していければ、高知の農業がどんどん良くなっていくんじゃないかと期待しています。