活用事例

Vol.07

農業歴25年 アナログからデジタルへ

土佐清水市 きゅうり農家

宮村倫年さん

農家

環境制御装置を導入されたきっかけを教えてください。

もともと次世代農業に興味があり、利用者のハウスを見学したのがきっかけです。

私は30歳の時に農業を始め、今年で農業年数は25年。現在、土佐清水市のハウスで環境測定装置やSAWACHIを活用して促成きゅうりの栽培をしています。はじめて環境測定装置を導入したのは3年前で、はじめに栽培環境をモニタリングする「ハッピィ・マインダー」、次に日射比例灌水を行う「アクアマイスター」を導入しています。もともと高知県が次世代農業に向けた取り組みを促進していたこともあり、私自身もこういった機器には以前から興味を持っていました。実際に環境測定装置を活用されているハウスを見学した際に、利用者から聞いた使用感などを参考にして導入しました。


SAWACHIを利用して良かったことは何ですか?

いつでもどこにいても不安のない農業が出来ています。

・スマホ一つの確認で大幅な時間短縮!
これまで何年もの間、時間をかけてやっていたハウス内の環境確認作業が、スマートフォン一つで確認できるようになりました。ハウス外にいても温度変化が不安にならず、安心できるようになったことが大きいですね。促成きゅうりの栽培では、季節や出荷に合わせて頻繁に温度の調整を行いますので、定期的にハウスが自分の設定した温度になっているかどうかをスマホで確認するのが今では日課になっています。

・活用できるデータが拡大!
現在、一作における様々な環境データを取ったところですが、今後はこのデータを昨年のデータとして活用していけることが楽しみです。自分の圃場のデータが蓄積されていくのは非常に面白いですし、何か問題があった時に、自己解決に繋がるツールだと感じています。環境データ自体はこれまで印刷物にして保管していたのですが、SAWACHIにはそれらを長期的なデータとして視覚化してくれる機能もあるので、今後は過去のデータや、他の圃場のデータなども参考に、自分なりの環境制御の調整ができるようになっていくと思います。


デジタル農業をはじめる上で大事なことは何でしょうか?

運用できるかどうか。どう運用するか。を考えることだと思います。

デジタル農業を始めるためには、あたり前のことですが機材の導入が必要です。私は「自分に運用できるかどうか」「そして自分のハウスでどう運用していくか」の2点を大切に考えています。自分で展示会などに足を運んで機材の視察をしたり、話を聞いたりする中で最終的に導入するかどうかを決めています。とくに長年農業を続けてきた農家さんには「自分の感覚」があると思いますので、そういった感覚と実際のデータや使用感を比較しながら、今後の運用を考えていくのも良いのではないでしょうか。


今後のデジタル農業や、SAWACHIに期待していることを教えてください。

デジタル農業を始めやすい環境整備が進み、農業をしたい人が増えて欲しいです。

普段の農業の一部がデジタルになるだけで、私たちのような長年農業を続けてきた者でも十分にメリットを享受できています。これから農業を始める新規就農者の方にとっては、それ以上のメリットがあると思います。ベテランの農家さんの中には、スマートフォンを利用していないという理由で遠慮している方も多いと思いますので、SAWACHIを導入しやすい、使いやすい仕組みがあるといいですね。また、以前視察で、自動で収穫するロボットを見ました。導入コストは高いですが、こういったロボットを導入すると24時間収穫できるので、人の作業の負担が随分減ると思います。
今後、県内でSAWACHIの利用者が増えていき、私をはじめ、高知県内の農家さんの経験や環境データが共有できるようになることで、高知県全体の農業振興に繋がっていって欲しいと願っています。