ハウスミカンにおける炭酸ガス施用技術の検討(高知県農業技術センター)

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 ハウスミカンの生産現場では、一部で先進的に炭酸ガス施用技術が導入されていますが、総合的な栽培管理技術は確立していません。そこで、果樹試験場では炭酸ガス施用技術の開発に取り組み、施用濃度、かん水量、着果量について検討しました。

 炭酸ガス施用濃度を2,000ppm、600ppm、無施用で比べると、施用濃度が高いほど、生理落果を抑制しました。また、2,000ppm区では、収穫時の果実が大きく、収量も多い傾向でした(図1、表1)。

 多かん水・慣行着果区では、慣行かん水・慣行着果区と比べ、中心階級がM級と大玉傾向で、収量は多くなるものの、糖度は低下しました。多かん水・多着果区では、慣行かん水・慣行着果区よりも収量が多く、中心階級はS級で、糖度は同程度となりました(図2、3、4、表2)。このことから、かん水量と着果量を増やすことで、高収量・高品質の両立が可能と考えられました。

 今後は、炭酸ガス施用濃度、かん水量、着果量などの条件を組み合わせた場合の最適値を検討するとともに、樹体水分ストレスの非破壊測定法の開発など、統合環境制御技術の体系化に取り組む予定です。

 本研究は、内閣府地方大学・地域産業創生交付金「“IoP(Internet of Plants)”が導く「Next次世代型施設園芸農業」への進化」の助成を受けたものです。

高知県農業技術センター 果樹試験場

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