3月13日、オンラインによるシンポジウム「農家と学ぶ勉強会 “View from Table” ~農産物の収穫その後~」を開催し、農業生産者、企業関係者、行政関係者、高等教育機関関係者ほか76名の皆様に参加いただきました。
シンポジウムは、農産物が農家の手を離れた後、どのような考え方で流通・販売され、消費者に届くのか、その現状を共有するとともに、今後の高知県の農業の在り方についても議論するものです。
前半は、『「農家目線の」マーケティング』というテーマで東京農業大学半杭真一准教授に消費者視点の重要性や農家の事情にあったマーケティングの必要性について、具体例を挙げながらご講演いただきました。続いて、株式会社ベスト本間惇代表取締役から、食と流通をめぐる問題点や高知県の農業への提言について、名誉フードスペシャリストである中村学園大学太田英明名誉教授からは、日本人の健康寿命についての各種データの紹介とカンキツや野菜の機能性と健康維持への貢献についてご講演いただきました。また、行政からは、高知県農産物マーケティング戦略課の植野康佑主幹が高知県で生産された青果物の流通の現状と課題や今後の取り組みについて紹介する講演を行いました。
後半は、講演者に加え、高知大学農林海洋科学部の内野昌孝特任教授(東京農業大学とのクロスアポイントメント)、島村智子教授、高知県立大学渡邊浩幸教授が登壇し、『高知農業の将来に向けて』のテーマで、パネルディスカッションを行いました。参加者から事前に募った質問に講演者が答える形で進行し、中山間地域の農業経営、ネット販売の在り方、海外展開、機能性表示食品、貯蔵性、野菜の美味しさなど様々な観点での議論や提案が行われました。開催後に実施したアンケートでは、満足度が89%であり、勉強会の継続や次テーマへの要望も多く寄せられました。