活用事例

Vol.15

デジタル農業の良さをもっと広げていきたい!

芸西村 ピーマン農家

小松敏英さん

農家

デジタル農業に取り組まれるようになったきっかけを教えてください

営農指導員時代に培った経験を実践していきたいと思ったからです

私は26年ほどJAで営農指導員をしていました。6年前に実家の農業を継ぐことを決め途中退職をいたしましたが、丁度その時期に、高知県の方では環境測定装置を普及していく取り組みが立ち上がったところでした。以前、何度かオランダに天敵の視察で訪れたことがあるのですが、当時からオランダでは環境測定装置は主流であり、また収量増加にも繋がっていたことから、今後ハウスを経営していくこのタイミングで、自分もハウス内に機器を導入し、収集した実践的なデータを農家さんや関係者の方々にも役立てていただけたらと思い始めたことです。


実際に運用してみて感じたことを教えてください

データの活用の仕方や、向き合い方を考えることが多かったですね

まず、環境測定装置をはじめとした、各種装置を利用していくうえで、少なくとも一作の期間は必要だということを感じました。というのも、データはあくまでデータであって、そこから何をすればいいか考えるのは農家の仕事です。例えば、ハウスのCO2濃度が低いというデータが出ていたから、濃度を高くする。しかし同時に、光合成が盛んになることで、栄養や水も普段より必要になることは、実際の生育状況や経験から自分が学んでいくことです。年間を通してハウスを管理するためにも一作という期間で蓄積された線のデータなどは、比較などをする際にも利用がしやすく、違いや気づきなどから自分のハウスに合った栽培条件を見つけることが大切です。


現在、注目している機器や機能などはありますか?

動画やカメラの機能に注目しています

動画やカメラといったサービスは、今後需要が高まっていくと感じています。やはり、外にいてもハウス内を見れるというのは魅力的で、生育状況を確認して迅速な現場対応を指示することも可能になると思います。単価が高い時期などには盗難などにも注意したいので、防犯という機能としても注目しています。


SAWACHIの使用感を教えてください

圃場の管理がしやすくなり、機能もどんどん充実していっていると思います

私が栽培しているピーマンをはじめ、ハウス栽培では温度管理が命ですので、冬場の温度管理といった、いままでデリケートになっていた部分がかなり緩和されたと感じています。また、最近では市況や出荷状況、出荷量の県内順位なども表示される機能も追加されモチベーションにも繋がっていますし、SAWACHIニュースなどでは他品目の情報も流れてくるので、かなり参考になりますね。


今回のIoPプロジェクトにどんな期待をしていますか?

様々な圃場や気候パターンに基づいた、データが集積されていくことです

多くの人がSAWACHIを利用して、多くの人が経験した圃場データが蓄積されていくことで、様々なパターンに対応した「農業の教科書」として機能していくことに期待しています。私もこれまで環境測定装置を扱ってきましたが、蓄積したデータがあることで、普及員さんとのやりとりも充実していっています。使用感などはできるだけ色々な方にお伝えするようにしていますし、今後はこれらのデータを広く開示していきたいと思っています。いろいろな人がもっと農業をやりやすくなる高知県に向けて、一緒に歩んでいきたいと思っています。