活用事例

Vol.19

IoPを最重点課題として研究

高知県農業技術センター

松村和彦さん 亀島雅史さん

写真右から
松村和彦さん:所長
亀島雅史さん:企画監(Next次世代担当)

研究者

どのような取り組みをしているのでしょうか?

農家の所得向上に向けて、幅広い分野で研究開発に取り組んでいます

農業技術センターでは、➀新技術の創出と活用による高品質・安定生産技術、②生産、流通現場で発生するリスク軽減技術、③環境に配慮した生産技術、資源の循環利用技術――以上3分野に重点を置いて研究開発に取り組んでいます。具体的には野菜や花き、水稲などの栽培と生産、育種、それを取り巻く土壌肥料や病害虫などの環境、独自に開発したパーシャルシール包装をはじめ輸送関連の品質管理、本県産農作物の機能性といった幅広い分野を研究対象としています。いかに高知県の農業生産を維持発展・高品質化により選ばれる産地につなげ、生産農家の所得を向上させていくのかが、私たちに課せられた重要なテーマです。研究のための研究ではなく、生産性向上にどう貢献できるのか、という視点から研究・開発を続けています。


いま最も力を注いでいる研究は?

多くの研究員がIoP関連の研究を担当しています。

農業技術センターの研究は、産業振興計画などの高知県の方針が大前提にあり、いま重点的に研究しているテーマは「IoPが導くNext次世代型施設園芸農業への進化」。IoTやAIといった分野の知識・技術が不可欠なので、高知大学、高知工科大学、高知県立大学の県内各大学、国の機関である農研機構、県内外の企業などと連携し、研究を進めています。

【データ解析研究をスタート】
令和3年度に、農業技術センターに農業情報研究室を設置し、データ解析研究をスタートしました。環境制御機器の普及により、ハウス内環境データが集積されています。開発中のIoPクラウドには、気象や生育状況、出荷量などの多くのデータを収集することとなっています、こうした「IoPクラウド:SAWACHI(皿鉢)」に集積されるビッグデータを活用し、分析・解析し、生産農家や生産指導に有益な情報としてフィードバックしていくように、研究に取り組んでいます。

【省力化しつつ生産を上げる技術や高付加価値も重要テーマ】
令和3年度、IoPに関連して行った研究は19課題。今後も重点的な研究対象とし、結果を高知県の農業に還元するべく取り組んでいきます。