土壌水分状態と日射量に基づく施設ナスのかん水管理技術の開発(高知県農業技術センター)

トピックス

 当センターでは、施設ナス栽培において導入の進んでいる日射比例制御技術について、土壌水分状態に応じて補正を行う新たなかん水管理技術の開発に取り組んでいます。

 2022年8月末に‘土佐鷹’を定植し、日射比例制御でかん水する区(日射区)を対照に、土壌が基準より湿潤状態であればかん水回数を減らし、乾燥状態であればかん水回数を増やすように、統合環境制御装置「アネシス」で日射比例制御を自動補正する区(併用区)を設けました。その結果、併用区では全期間を通して日射区と比べて少ないかん水量となりました(表)。

 両区に設置した土壌水分センサーでは、春に向かって含水率が高まっており、特に日射区では3月頃からpF1.0以下と過湿状態を示していました。一方、併用区は栽培期間を通して含水率の増加が穏やかでした(図1)。両区の10a当たりの収量に差は見られませんでした(図2)。

 今後は併用区のかん水処理を複数設けて、引き続き土壌水分状態とナスの収量性について調査に取り組んでいきます。
 この研究は、内閣府地方大学・地域産業創生交付金 「“IoP(Internet of Plants)”が導く「Next次世代型施設園芸農業」への進化」の助成を受けたものです。

高知県農業技術センター 

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