ニラの葉温の違いと光合成速度(高知県農業技術センター)

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 農業技術センターでは、植物の光合成、蒸散の見える化に取り組んでいます。今回は、ニラ‘タフボーイ’の葉温の違いによる個葉の光合成特性についてご紹介します。
 測定装置はLI-6800(LI-COR社製)で、異なる葉温(20℃、22℃、24℃、28℃)ごとにCO₂濃度を200、400、600、800、1,000ppmに変化させ、個葉の光合成速度を測定しました(表)。

 両調査日とも、CO₂濃度が高いと光合成速度が速くなりました。また、葉温20℃では他の葉温と比べて、光合成速度が速い傾向が見られました。11月17日調査時は3月24日調査に比べて、葉温22、24、28℃で光合成速度が高めに推移しましたが、他の果菜類などに比べ、葉温を高くしても光合成速度は速くなりませんでした(図)。

 一般的に光合成速度は酵素反応の速度に依存するため、十分に光合成できる環境では光合成速度は葉温に比例します。今回の結果では、最も葉温が低い20℃で光合成速度が早かったことから、葉温やCO₂濃度以外の要因が影響したと考えられます。
 今後も引き続きニラの光合成特性を調査し、環境データやかん水などの栽培管理との関係などについても検討していく予定です。
 本研究は、内閣府地方大学・地域産業創生交付金 「“IoP(Internet of Plants)”が導く「Next次世代型施設園芸農業」への進化」の助成を受けたものです。

高知県農業技術センター 

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