高知県農業技術センターでは、高知大学との協働で植物の生態情報の「見える化」に取り組んでいます。光合成や葉面積指数(以下LAI)は植物の成長や収量を左右する重要な指標ですが、ほ場で計測可能な機器はありませんでした。そこで、安価で自動計測が可能な環境計測機器とカメラから収集したデータを用いて、光合成・LAIを推定するAIを開発しました。
1.光合成の見える化
AIによって推定された光合成速度は、実測値との間の決定係数が0.91となり、高精度に推定できることが確認できました(図1)。
このAIを用いて、所内のナス栽培ほ場で計測した環境データから、光合成の「見える化」を行った結果、光合成が日射量に応じて推移していることが確認できました(図2)。
2.LAIの「見える化」
開発したAIを用いて、ナス栽培ほ場に設置したカメラで収集した画像から、LAIの「見える化」を行ったところ、LAIが年間を通して変化する様子を可視化できました(図3)。
現在、このほかにも蒸散が「見える化」されています。今後は、モデルのさらなる精度向上、他品目への展開とともに、「見える化」された情報の栽培管理への活用方法を検討する予定です。
本研究は、内閣府地方大学・地域産業創生交付金「“IoP(Internet of Plants)”が導く「Next 次世代型施設園芸農業」への進化」の助成を受けたものです。
高知県農業技術センター 作物園芸課 先端生産システム担当
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