農作物の生育予測における深層学習の応用(高知工科大学)

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 高知工科大学では、施設園芸分野における生育予測に関するAI技術の応用に取り組んでいます。AI技術の一つである深層学習に注目し、実用段階の課題である「モデル構築用データを用意するコストの高さ」について、「半教師あり学習」や「敵対的生成ネットワーク」を応用した課題解決を行っています。

 深層学習モデルを構築する際、入力データと対応するラベル情報(教師データ)が大量に必要です。たとえば画像から果実の位置検出を行う場合、ある画像に対して各果実の座標情報が必要となり、画像一枚あたり30分程度の作業コストが発生します。

 そこで高知工科大学では、ラベル無しデータも活用する教師-生徒モデルの半教師付き機械学習を提案しています。8枚のラベル有りデータにより構築した「教師モデル」の検出評価値が38.1%であったのに対して、168枚のラベル無しデータを活用した「生徒モデル」の検出評価値は70.6%と改善しました。このことにより、高コストなラベル付与を省略した集積データを利用することで、予測モデルの精度向上へ活用できることが確認できました。

 このほか、人工的に画像データを生成する方法として敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network: GAN)があります。この手法を応用し、教師データを人工的に生成することで深層学習モデルの検出性能向上を目指しています。具体的には、果実マップからの教師データ生成、および、異なる作物間でのデータ変換によりラベル情報を共有する教師データの活用などに取り組んでいます。

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